92U238.03

原子番号 92 · アクチノイド

ウラン U

別名: Uranium

ウランは、天然にまとまった量で存在する元素のなかで最も重く、原子力発電と核兵器の両方の燃料です。密度の高い銀灰色の金属で、同位体はすべて放射性ですが、崩壊がきわめて遅いため、地球誕生時にあったウランの多くが今も残っています。放射能の発見から原子核の分裂、地球の年代測定まで、20世紀物理学のあらゆる転換点に登場する元素です。

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主な性質

原子番号92
原子量238.03 (CIAAW 2024 簡略標準原子量)
分類アクチノイド
ランタノイド・アクチノイド(族番号なし)
周期7
ブロックf
状態(25 °C・1 atm)固体
融点1408 K (1134.8 °C)
沸点4404 K (4130.9 °C)
密度18.95 g/cm³
電気陰性度(ポーリング)1.38
原子半径(ファンデルワールス)240 pm
第一イオン化エネルギー6.194 eV
電子親和力
酸化数+6, +5, +4, +3
発見1789

電子配置

簡略表記
[Rn]7s2 5f3 6d1
完全表記
1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d10 4s2 4p6 4d10 4f14 5s2 5p6 5d10 5f3 6s2 6p6 6d1 7s2
電子殻ごとの電子数
2 · 8 · 18 · 32 · 21 · 9 · 2

軌道図(ボックス図)

1s2↑↓
2s2↑↓
2p6↑↓↑↓↑↓
3s2↑↓
3p6↑↓↑↓↑↓
3d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
4s2↑↓
4p6↑↓↑↓↑↓
4d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
4f14↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
5s2↑↓
5p6↑↓↑↓↑↓
5d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
5f3
6s2↑↓
6p6↑↓↑↓↑↓
6d1
7s2↑↓

周期表での位置

発見の歴史

1789年、ドイツの化学者マルティン・ハインリヒ・クラプロートは、中央ヨーロッパで採掘される重く黒い鉱物、ピッチブレンドを分析し、新しい元素が含まれていると発表しました。ただし彼が実際に取り出したのは酸化物でした。金属そのものを初めて得たのはフランスの化学者ウジェーヌ=メルキオール・ペリゴーで、1841年に四塩化ウランをカリウムで還元して単離しました。

数十年のあいだ、ウランは主にガラスや釉薬の着色剤として重宝されていました。状況が一変したのは 1896年 です。アンリ・ベクレルが、ウラン塩が暗闇の中でも写真乾板を感光させることを発見し、これが放射能研究の出発点となりました。

1938年、オットー・ハーンとフリッツ・シュトラスマンは、中性子を当てたウランの生成物の中にバリウムを検出しました。リーゼ・マイトナーとオットー・フリッシュは、これを原子核が二つに割れる「核分裂」として説明しました。1942年12月には、シカゴでエンリコ・フェルミのチームが、ウランと黒鉛を積み上げた原子炉で初めて自己持続的な連鎖反応を実現しました。

名前の由来

クラプロートは、わずか8年前の1781年にウィリアム・ハーシェルが発見したばかりの惑星 天王星(Uranus) にちなんでこの元素を名づけました。天王星の名は、ギリシャ神話の天空の神ウーラノスに由来します。元素記号 U は頭文字です。続く2つの元素、ネプツニウムとプルトニウムも、この惑星の順番を引き継いでいます。

主な用途

  • 原子力発電: 商業用原子炉の多くは、ウラン235を約3〜5%に濃縮したウランを燃料とします。1キログラムを完全に核分裂させると、石炭数千トンを燃やすのに匹敵する熱が出ます。
  • 艦船の推進: 潜水艦や航空母艦は、ウラン燃料の小型原子炉で動いています。
  • 劣化ウラン: 濃縮の後に残るのは主にウラン238です。密度がきわめて高いため、航空機のカウンターウェイト、放射線遮蔽、装甲、徹甲弾に利用されます。
  • 地質年代学: ウラン-鉛年代測定法は、地球最古の鉱物や隕石の年代を求める標準的な方法です。
  • かつての着色剤: 19世紀から20世紀初めにかけて、ウラン化合物は黄緑色のガラスや鮮やかな陶磁器の釉薬を生み出しました。

同位体

天然ウランは、約99.3%が ウラン238、0.72%が ウラン235、そして微量の ウラン234 からなります。ウラン238の半減期は約44.7億年で、地球の年齢に近く、ウラン235の半減期は約7億400万年です。遅い中性子で容易に核分裂するのはウラン235だけなので、原子炉の燃料は濃縮する必要があります。約17億年前、ウラン235の割合が今より高かった時代には、現在のガボンにあるオクロの鉱床が天然の核分裂炉として働いていました。ウラン238は中性子を吸収すると、最終的にプルトニウム239になります。

身近なところで

ウランは少量ならどこにでもあります。一般的な土壌には1キログラムあたり数ミリグラム、花崗岩にはそれよりやや多く、海水には1リットルあたり数マイクログラムが含まれています。その崩壊系列からは放射性の気体ラドンが生じ、換気の悪い地下室にたまることがあり、屋内空気の危険因子として知られています。天然ウランそのものについては、放射能よりも腎臓への化学的毒性のほうが問題になることが多いです。アンティークの「ウランガラス」は、紫外線を当てると鮮やかな緑色に光ります。

豆知識

  • 金属ウランの密度は1立方センチメートルあたり約19グラムで、鉛のおよそ1.7倍です。
  • ガボンのオクロでは、約17億年前にウラン鉱床が天然の連鎖反応を持続させていました。
  • 地球内部から流れ出る熱のかなりの部分は、ウラン・トリウム・カリウムの放射性崩壊によるものです。

同じ分類 (アクチノイド)

データの出典 · 性質: PubChem Periodic Table(米国 NIH/NLM 公開データ)・原子量: CIAAW 2024 簡略標準原子量・名称: Wikidata(CC0)、韓国語名は大韓化学会の表記に準拠。2026-09-23 取得。