原子番号 102 · アクチノイド
ノーベリウム No
別名: Nobelium
ノーベリウムは、ダイナマイトの発明者でノーベル賞の創設者アルフレッド・ノーベルにちなんで名づけられた人工の放射性元素です。スウェーデン、アメリカ、ソ連のチームが次々に発見を主張し、最終的に功績はソ連のドゥブナの研究所に認められましたが、スウェーデンで最初に提案された名前が生き残りました。研究にだけ使われています。
主な性質
| 原子番号 | 102 |
|---|---|
| 原子量 | [259] (安定同位体がないため、代表的な同位体の質量数を角かっこで表示) |
| 分類 | アクチノイド |
| 族 | ランタノイド・アクチノイド(族番号なし) |
| 周期 | 7 |
| ブロック | f |
| 状態(25 °C・1 atm) | 固体 |
| 融点 | 1100 K (826.9 °C) |
| 沸点 | — |
| 密度 | — |
| 電気陰性度(ポーリング) | 1.3 |
| 原子半径(ファンデルワールス) | — |
| 第一イオン化エネルギー | 6.65 eV |
| 電子親和力 | — |
| 酸化数 | +3, +2 |
| 発見 | 1957 |
電子配置
- 簡略表記
- [Rn]7s2 5f14
- 完全表記
- 1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d10 4s2 4p6 4d10 4f14 5s2 5p6 5d10 5f14 6s2 6p6 7s2
- 電子殻ごとの電子数
- 2 · 8 · 18 · 32 · 32 · 8 · 2
軌道図(ボックス図)
周期表での位置
発見の歴史
1957年、ストックホルムのノーベル物理学研究所を拠点に、アメリカのアルゴンヌ国立研究所やイギリスのハーウェル研究所の研究者も加わった国際チームが、キュリウムに炭素13のイオンを当てて102番元素をつくったと報告しました。彼らはノーベリウムという名前を提案し、IUPACはほぼすぐにそれを受け入れました。
ところが 1958年、バークレーのチームが実験を追試したところ、再現できませんでした。バークレーのグループは新しい線形加速器でつくった別の同位体を主張しましたが、その解釈も一部誤りだとわかりました。一方、ソ連のドゥブナではゲオルギー・フリョロフのグループが1958年以降実験を重ね、1963年から1966年 にかけて、102番元素のいくつもの同位体をしっかりと特定した結果を発表しました。
功績をめぐる議論は何十年も続きました。1992年、IUPACとIUPAPの合同作業部会は、ドゥブナの研究が決定的な発見にあたると結論しました。ソ連側は一時「ジョリオチウム」という名前を提案していましたが、1997年にIUPACは長く定着していたノーベリウムという名前を正式に確定しました。
名前の由来
最初の主張がノーベルの名を冠した研究所から出たことから、この元素はスウェーデンの化学者で発明家、ノーベル賞の創設者である アルフレッド・ノーベル をたたえています。元素記号は No です。発見の主張は退けられたのに、それとともに提案された名前が残ったという珍しい例です。
主な用途
- 基礎研究: ノーベリウムは原子1個ずつしかつくれないため、純粋に科学的な目的に使われます。ほとんどのアクチノイドは水中で+3の状態が最も安定ですが、ノーベリウムは珍しく +2 を好みます。これは14個の電子で完全に満たされた5f殻の安定性によるものです。
- 原子物理学: ほんの数個の原子を使ったレーザー分光がノーベリウムに適用され、超重元素の電子構造を直接測る道が開かれました。
同位体
ノーベリウムには安定同位体がありません。最も長寿命の ノーベリウム259 の半減期は約58分です。化学実験では、より多くつくれる ノーベリウム255(約3.1分)がふつう使われます。ドゥブナで特定された ノーベリウム254 の半減期は約50秒です。
身近なところで
ノーベリウムは自然界には存在せず、日常生活には関わりません。量れるほどの量がつくられたことはなく、実験で扱うのは一度に数十個から数千個の原子です。放射性ではありますが、それを生産するごく少数の研究所の外では、現実的な曝露のリスクはありません。
豆知識
- ノーベリウムの発見の功績はドゥブナに認められましたが、スウェーデンで提案された名前が残りました。
- ほとんどのアクチノイドと違い、ノーベリウムは溶液中で+2の状態が最も安定です。
- 最も長寿命の同位体ノーベリウム259でさえ、半減期は1時間に満たないのです。
同じ分類 (アクチノイド)
データの出典 · 性質: PubChem Periodic Table(米国 NIH/NLM 公開データ)・原子量: CIAAW 2024 簡略標準原子量・名称: Wikidata(CC0)、韓国語名は大韓化学会の表記に準拠。2026-09-23 取得。