15P30.974

原子番号 15 · 非金属

リン P

別名: Phosphorus

リンは反応性の高い非金属で、暗闇で光るろう状の白リンから、安定な赤リンや黒リンまで、驚くほど異なるいくつもの形で存在します。DNAの骨格、エネルギーを運ぶATP、骨や歯の鉱物をつくる、生命に欠かせない元素であり、肥料の重要な成分でもあります。

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主な性質

原子番号15
原子量30.974 (CIAAW 2024 簡略標準原子量)
分類非金属
15
周期3
ブロックp
状態(25 °C・1 atm)固体
融点317.3 K (44.2 °C)
沸点553.65 K (280.5 °C)
密度1.82 g/cm³
電気陰性度(ポーリング)2.19
原子半径(ファンデルワールス)180 pm
第一イオン化エネルギー10.487 eV
電子親和力0.746 eV
酸化数+5, +3, -3
発見1669

電子配置

簡略表記
[Ne]3s2 3p3
完全表記
1s2 2s2 2p6 3s2 3p3
電子殻ごとの電子数
2 · 8 · 5

軌道図(ボックス図)

1s2↑↓
2s2↑↓
2p6↑↓↑↓↑↓
3s2↑↓
3p3

周期表での位置

発見の歴史

リンは、記録に残る歴史の中で、名前のわかっている個人によって発見された最初の元素です。1669年、ハンブルクの商人で錬金術師の ヘニッヒ・ブラント は賢者の石を探して大量の尿を煮詰め、残りかすを強く熱して、暗闇で光り空気中で燃え上がる白いろう状の物質を集めました。

ブラントは製法を秘密にしていましたが、ヨハン・クンケルとロバート・ボイルがまもなく自力でリンのつくり方を突き止めました。1770年代にはカール・ヴィルヘルム・シェーレとヨハン・ゴットリーブ・ガーンが骨にリンが含まれることを示し、シェーレは骨灰からリンをつくる方法を開発しました。これが1世紀にわたって標準的な供給源となりました。ラボアジエは1770〜1780年代にリンを元素の一つに挙げています。のちには、大規模な鉱床から採掘されるリン鉱石が骨に代わって原料となりました。

名前の由来

名前はギリシャ語で「光をもたらすもの」を意味する phosphoros に由来します。これは明けの明星としての金星の古い呼び名で、白リンが空気中でかすかに光ることにちなみます。元素記号は P です。日本語の「リン(燐)」は、墓地などで見える青白い「燐火(鬼火)」を表す漢字「燐」から来ており、光る性質に着目した点で語源と通じ合っています。

主な用途

  • 肥料: 採掘されたリン鉱石の大半はリン酸に、さらに肥料に加工されます。現代の作物収量に欠かせません。
  • 食品と飲料: リン酸はコーラの酸味をつくり、リン酸塩は膨張剤や保存料として働きます。
  • マッチ: 安全マッチの箱の側薬には赤リンが含まれています。
  • 電池: リン酸鉄リチウムは、熱的に安定で広く使われている電池の正極材料です。
  • 化学品: 難燃剤、水処理、金属表面処理、農薬。

同位体

リンの安定同位体は リン31 ただ一つで、そのおかげでリンのNMRは生体組織や化合物を調べる強力な手段になっています。放射性の リン32(半減期約14.3日)と リン33(約25日)は、分子生物学の研究でDNAやタンパク質の標識に使われます。リン32は医療で特定の血液疾患の治療にも使われてきました。

身近なところで

成人の体にはおよそ0.7キログラムのリンが含まれ、そのほとんどは骨や歯のリン酸カルシウムとして存在します。リンはほぼすべての食品、特に乳製品、肉、魚、豆に含まれているため、食事による欠乏はまれです。

白リンは毒性が強く、空気中で自然発火するため、水の中で保管されます。農地や排水から流れ出たリン酸塩は湖で藻類の大発生を引き起こすことがあります。また、リン鉱石の埋蔵量は少数の国に集中しているため、廃棄物からリンを回収する研究が盛んに進められています。

豆知識

  • 白リンは約317 K(44 °C)で融け、体温よりわずかに高いだけの温度です。
  • 白リンのかすかな緑色の光は、放射能ではなく空気中でのゆっくりとした酸化によるものです。
  • 黒リンは、ホスホレンと呼ばれる原子1層の厚さのシートにはがすことができます。

同じ族 (15)

データの出典 · 性質: PubChem Periodic Table(米国 NIH/NLM 公開データ)・原子量: CIAAW 2024 簡略標準原子量・名称: Wikidata(CC0)、韓国語名は大韓化学会の表記に準拠。2026-09-23 取得。