58Ce140.12

原子番号 58 · ランタノイド

セリウム Ce

別名: Cerium

セリウムは地殻中で最も多い希土類元素で、やわらかい銀灰色の金属です。ランタノイドとしては珍しく+3と+4の両方の酸化状態で安定なため、ガラスの研磨から自動車の排ガス浄化、ライターの火花まで、幅広い用途があります。

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主な性質

原子番号58
原子量140.12 (CIAAW 2024 簡略標準原子量)
分類ランタノイド
ランタノイド・アクチノイド(族番号なし)
周期6
ブロックf
状態(25 °C・1 atm)固体
融点1071 K (797.9 °C)
沸点3697 K (3423.8 °C)
密度6.77 g/cm³
電気陰性度(ポーリング)1.12
原子半径(ファンデルワールス)235 pm
第一イオン化エネルギー5.539 eV
電子親和力0.5 eV
酸化数+4, +3
発見1803

電子配置

簡略表記
[Xe]6s2 4f1 5d1
完全表記
1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d10 4s2 4p6 4d10 4f1 5s2 5p6 5d1 6s2
電子殻ごとの電子数
2 · 8 · 18 · 19 · 9 · 2

軌道図(ボックス図)

1s2↑↓
2s2↑↓
2p6↑↓↑↓↑↓
3s2↑↓
3p6↑↓↑↓↑↓
3d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
4s2↑↓
4p6↑↓↑↓↑↓
4d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
4f1
5s2↑↓
5p6↑↓↑↓↑↓
5d1
6s2↑↓

周期表での位置

発見の歴史

1803年、スウェーデンのイェンス・ヤコブ・ベルセリウスとヴィルヘルム・ヒシンゲルは、バストネス鉱山で採れた重い鉱物(現在のセル石)を分析し、新しい酸化物を見つけました。同じ年、ドイツの化学者マルティン・ハインリヒ・クラプロートも独立に同じ酸化物を発見しました。

当時セリアは一つの元素の酸化物と考えられていましたが、1839年以降カール・グスタフ・モサンデルがそこからランタンとジジムを分離し、いくつもの希土類の混合物であることが明らかになりました。

金属は1875年、アメリカのウィリアム・ヒルブランドとトーマス・ノートンが融解塩化セリウムを電気分解して初めてつくりました。1903年にはオーストリアの化学者カール・アウアー・フォン・ヴェルスバッハが、こすると火花を出すセリウムと鉄の合金フェロセリウムの特許を取り、これは今もライターの着火石に使われています。

名前の由来

この元素は、1801年に発見され現在は準惑星に分類されているケレスにちなんで名づけられました。ケレスの名はローマ神話の農業の女神に由来します。元素記号は Ce です。

主な用途

  • ガラスの研磨: 酸化セリウムは研磨しながらガラスの表面と化学的に反応し、レンズ、鏡、スマートフォンの画面、シリコンウエハーをなめらかに仕上げます。
  • 排ガス浄化触媒: 酸化セリウムは酸素を蓄えたり放出したりでき、条件が変わっても三元触媒が効率よく働くのを助けます。
  • 着火石: フェロセリウムは、ライターやキャンプ用のファイヤースターターの火花を生み出します。
  • ガラス添加剤: ガラスを無色にし、紫外線を遮ります。
  • 蛍光体: セリウムを添加したYAG蛍光体は、白色LEDで青い光を黄色に変えます。
  • 化学: 硝酸セリウムアンモニウムは有機合成でよく使われる酸化剤です。

同位体

天然のセリウムには4つの同位体、セリウム136、138、140、142があり、セリウム140が約88%を占めます。セリウム142は理論上ごくゆっくり崩壊しうるものの、崩壊は観測されていません。放射性のセリウム144(半減期約285日)とセリウム141(約33日)は核分裂生成物で、原子力事故のあとの環境モニタリングで測定されます。

身近なところで

セリウムはバストネス石やモナズ石からほかの希土類とともに取り出されます。地殻中には銅と同じくらい存在し、「希土類」という名前とは裏腹に、まったく希少ではありません。

ライターの火花は、空中を飛びながら燃えるセリウム合金の小さな削りくずです。かつて酸化セリウムはガス灯を明るく光らせるガスマントルの成分でした。セリウム化合物の毒性はかなり低いものの、金属の粉末は発火しやすいため注意して扱う必要があります。

豆知識

  • セリウムは+4の状態で安定な数少ないランタノイドの一つです。
  • ライターの着火石の火花は、燃えているセリウム合金です。
  • セリウムは地殻中に銅とほぼ同じくらい存在します。

同じ分類 (ランタノイド)

データの出典 · 性質: PubChem Periodic Table(米国 NIH/NLM 公開データ)・原子量: CIAAW 2024 簡略標準原子量・名称: Wikidata(CC0)、韓国語名は大韓化学会の表記に準拠。2026-09-23 取得。