5B10.81

原子番号 5 · 半金属

ホウ素 B

別名: Boron

ホウ素は硬く黒っぽい半金属で、自然界では単体として見つかることはなく、ホウ砂などの鉱物の中に存在します。存在量でいえばマイナーな元素ですが、ガラスを強くし、原子炉で中性子を吸収し、知られている中でも最も硬い部類の物質をつくり、植物にとっては欠かせない微量栄養素でもあります。

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主な性質

原子番号5
原子量10.81 (CIAAW 2024 簡略標準原子量)
分類半金属
13
周期2
ブロックp
状態(25 °C・1 atm)固体
融点2348 K (2074.8 °C)
沸点4273 K (3999.8 °C)
密度2.37 g/cm³
電気陰性度(ポーリング)2.04
原子半径(ファンデルワールス)192 pm
第一イオン化エネルギー8.298 eV
電子親和力0.277 eV
酸化数+3
発見1808

電子配置

簡略表記
[He]2s2 2p1
完全表記
1s2 2s2 2p1
電子殻ごとの電子数
2 · 3

軌道図(ボックス図)

1s2↑↓
2s2↑↓
2p1

周期表での位置

発見の歴史

ナトリウムのホウ酸塩鉱物であるホウ砂は、はんだ付けのフラックスや釉薬として何世紀にもわたって取引されてきました。チベットや中央アジアから交易路を通ってヨーロッパに運ばれていたのです。しかし19世紀初めの化学革命まで、そこに未発見の元素が含まれていることは誰も知りませんでした。

1808年、2つのグループがほぼ同時に不純なホウ素を単離しました。パリではジョゼフ・ルイ・ゲイ=リュサックとルイ・ジャック・テナールがホウ酸をカリウムで還元し、ロンドンではハンフリー・デービーが、最初は電気分解、次いでカリウムによる還元で同様の研究を行いました。いずれも純粋な物質は得られませんでした。比較的純粋なホウ素がつくられたのは20世紀初めになってからで、特に1909年のアメリカの化学者エゼキエル・ワイントラウブの仕事が知られています。

名前の由来

英語名 boron は borax(ホウ砂)に、炭素 carbon の語尾を組み合わせたものです。ホウ素がいくつかの点で炭素に似ているためです。borax はアラビア語 buraq に由来し、さらにさかのぼるとペルシャ語に行き着きます。元素記号は B です。日本語の「ホウ素」も同じくホウ砂(硼砂)の「硼」の字に由来し、もとは「硼素」と書かれていました。

主な用途

  • ガラス: ホウケイ酸ガラスは急な温度変化に強く、実験器具やオーブン用の耐熱皿、望遠鏡の鏡に使われています。
  • ガラス繊維と断熱材: ホウ素化合物は、繊維製品や建築用断熱材に使うガラス繊維に添加されます。
  • 磁石: ネオジム・鉄・ホウ素磁石は一般に使われる永久磁石の中で最も強く、モーター、ヘッドホン、ハードディスクに入っています。
  • 硬質材料: 炭化ホウ素は防弾具や研磨材に、立方晶窒化ホウ素は焼き入れ鋼の切削に使われます。
  • 原子力の安全: ホウ素を多く含む制御棒や溶かしたホウ酸が、原子炉の中性子を吸収します。
  • 農業と洗浄: ホウ酸塩は肥料の添加物、洗剤、木材防腐剤として使われます。

同位体

天然のホウ素は2つの安定同位体の混合物で、約20%が ホウ素10、80%が ホウ素11 です。ホウ素10は遅い中性子を非常によく吸収し、これが原子炉の制御、放射線遮蔽、中性子検出器に使われる理由です。同じ性質は ホウ素中性子捕捉療法 にも活用されています。これはホウ素10を含む薬剤を腫瘍細胞に集め、そこに中性子を照射する、研究段階のがん治療法です。ホウ素の放射性同位体はどれも非常に短寿命で、半減期は1秒未満です。

身近なところで

植物は細胞壁の形成と生殖のために少量のホウ素を必要とし、不足するとテンサイやリンゴなどの作物に障害が出ることがあります。人間の場合、ホウ素は果物、ナッツ、野菜に含まれていますが、必須の役割ははっきりとは確立されていません。

ホウ酸やホウ砂は大量に飲み込むと軽い毒性があるため、子どもやペットの手の届かない所に保管します。ホウ素化合物は花火に緑色をつけるのにも使われます。

豆知識

  • ホウ素の融点は約2,350 K で、鉄やチタンよりも高い温度です。
  • 立方晶窒化ホウ素の硬さは、一般的な物質の中ではダイヤモンドに次ぐものです。
  • 純粋な結晶ホウ素は室温では電気をあまり通しませんが、半導体のように加熱すると通しやすくなります。

同じ族 (13)

データの出典 · 性質: PubChem Periodic Table(米国 NIH/NLM 公開データ)・原子量: CIAAW 2024 簡略標準原子量・名称: Wikidata(CC0)、韓国語名は大韓化学会の表記に準拠。2026-09-23 取得。