6C12.011

原子番号 6 · 非金属

炭素 C

別名: Carbon

炭素は生命の化学的な土台であり、あらゆる元素の中で最も豊かな化学を持つ元素です。知られている炭素化合物は数百万種にのぼり、ほかのどの元素よりもはるかに多いのです。炭素原子は互いに強く結びついて鎖や環、シートをつくり、やわらかい黒鉛から天然で最も硬い物質であるダイヤモンドまで、まったく異なる姿を生み出します。

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主な性質

原子番号6
原子量12.011 (CIAAW 2024 簡略標準原子量)
分類非金属
14
周期2
ブロックp
状態(25 °C・1 atm)固体
融点3823 K (3549.8 °C)
沸点4098 K (3824.8 °C)
密度2.267 g/cm³
電気陰性度(ポーリング)2.55
原子半径(ファンデルワールス)170 pm
第一イオン化エネルギー11.26 eV
電子親和力1.263 eV
酸化数+4, +2, -4
発見古代

電子配置

簡略表記
[He]2s2 2p2
完全表記
1s2 2s2 2p2
電子殻ごとの電子数
2 · 4

軌道図(ボックス図)

1s2↑↓
2s2↑↓
2p2

周期表での位置

発見の歴史

炭素は、すすや木炭のかたちで先史時代から知られていました。初期の人類はこれを洞窟壁画に使い、金属の製錬にも用いました。ダイヤモンドは古代インドで珍重されていました。しかし、これほど性質の違う物質が同じ元素でできているとは、誰も知りませんでした。

1770年代、アントワーヌ・ラボアジエは、ダイヤモンドが木炭と同じように燃えて「固定空気」、つまり現在二酸化炭素と呼ぶ気体になることを示しました。1796年にはスミソン・テナントが、同じ質量のダイヤモンドと木炭から同じ量の二酸化炭素が生じることを示し、ダイヤモンドが純粋な炭素であることを証明しました。長いあいだ鉛の一種と誤解されていた黒鉛(グラファイト)も、1779年にカール・ヴィルヘルム・シェーレによって炭素だと認められました。

20世紀には新しい姿が次々に明らかになりました。サッカーボール形の分子C60であるバックミンスターフラーレンは1985年に発見され、1996年のノーベル賞につながりました。カーボンナノチューブは1991年に詳しく報告され、2004年にはアンドレ・ガイムとコンスタンチン・ノボセロフが黒鉛の原子1層分のシートである グラフェン を単離し、2010年のノーベル物理学賞を受賞しました。

名前の由来

名前はラテン語で木炭や石炭を意味する carbo に由来します。ラボアジエは1789年の元素一覧に carbone を載せました。元素記号は C です。日本語の「炭素」は「炭(すみ)のもと」という意味で、江戸時代末期の蘭学者・宇田川榕菴らによる訳語が定着したものです。

主な用途

  • エネルギー: 石炭・石油・天然ガスはいずれも炭素を主体とする燃料で、今も世界のエネルギーの大半をまかなっています。
  • 鋼鉄: 少量の炭素が鉄を鋼に変え、コークスは鉄鉱石の還元に使われます。
  • 材料: 黒鉛は鉛筆、潤滑剤、電池の負極に使われ、炭素繊維は軽くて丈夫なスポーツ用品や航空機部品になります。
  • 工業: ダイヤモンドは硬い材料の切断や研磨に、活性炭は水や空気の浄化に使われます。
  • 化学: プラスチック、医薬品、染料、溶剤はすべて炭素を骨格とする有機化合物です。

同位体

炭素には2つの安定同位体があります。約98.9%を占める 炭素12 と、約1.1%の 炭素13 です。炭素12は原子質量単位の基準になっています。炭素13はNMR分光法や、胃の感染症を調べる呼気検査に使われます。

炭素14 は放射性で、半減期は約 5,730年 です。上層大気で絶えずつくられて生物の体に取り込まれ、生物が死ぬとその量が一定の割合で減っていきます。これを利用して、およそ5万年前までの有機物の年代を測定できます。この放射性炭素年代測定法を開発したウィラード・リビーは、1960年にノーベル化学賞を受賞しました。

身近なところで

炭素は人体の質量の約18%を占めています。植物は光合成で二酸化炭素を取り込み、動物は呼吸によってそれを吐き出します。化石燃料の燃焼によって大気中の二酸化炭素は産業革命前の水準を大きく上回り、気候変動の原因となっています。

不完全燃焼で生じる一酸化炭素は無色・無臭の毒物です。燃焼式の器具を使う家庭にCO警報器があると安心なのはこのためです。

豆知識

  • 常圧では炭素は融解せず、約3,900 K で昇華します。
  • ダイヤモンドは天然のどの物質よりも熱をよく伝えます。
  • グラフェンは厚さが原子1個分の炭素のシートで、重さの割に非常に強い材料です。

同じ族 (14)

データの出典 · 性質: PubChem Periodic Table(米国 NIH/NLM 公開データ)・原子量: CIAAW 2024 簡略標準原子量・名称: Wikidata(CC0)、韓国語名は大韓化学会の表記に準拠。2026-09-23 取得。