61Pm[145]

原子番号 61 · ランタノイド

プロメチウム Pm

別名: Promethium

プロメチウム(Pm、61番元素)は、安定同位体を持たない唯一のランタノイドです。自然界にはほとんど残っていないため、周期表のその席は何十年も空いたままで、原子炉の核分裂生成物の中からようやく姿を現しました。原子量がかっこ付きで[145]と書かれるのもそのためです。

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主な性質

原子番号61
原子量[145] (安定同位体がないため、代表的な同位体の質量数を角かっこで表示)
分類ランタノイド
ランタノイド・アクチノイド(族番号なし)
周期6
ブロックf
状態(25 °C・1 atm)固体
融点1315 K (1041.8 °C)
沸点3273 K (2999.8 °C)
密度7.26 g/cm³
電気陰性度(ポーリング)
原子半径(ファンデルワールス)236 pm
第一イオン化エネルギー5.55 eV
電子親和力
酸化数+3
発見1945

電子配置

簡略表記
[Xe]6s2 4f5
完全表記
1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d10 4s2 4p6 4d10 4f5 5s2 5p6 6s2
電子殻ごとの電子数
2 · 8 · 18 · 23 · 8 · 2

軌道図(ボックス図)

1s2↑↓
2s2↑↓
2p6↑↓↑↓↑↓
3s2↑↓
3p6↑↓↑↓↑↓
3d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
4s2↑↓
4p6↑↓↑↓↑↓
4d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
4f5
5s2↑↓
5p6↑↓↑↓↑↓
6s2↑↓

周期表での位置

発見の歴史

1913年にヘンリー・モーズリーがX線スペクトルと原子番号を結びつけると、ネオジム(60)とサマリウム(62)のあいだにはっきりした空白があることがわかりました。1920年代、アメリカとイタリアのグループが「イリニウム」「フロレンチウム」の発見を発表しましたが、どちらも再現できませんでした。彼らの希土類試料には、この元素は検出できる量ほど含まれていなかったのです。

本当の発見は、テネシー州オークリッジのクリントン研究所でなされました。1945年、ジェイコブ・マリンスキー、ローレンス・グレンデニン、チャールズ・コライエルは、イオン交換クロマトグラフィーでウランの核分裂生成物を分離し、61番元素の同位体を突き止めました。戦時中の機密保持のため、発表は1947年まで遅れました。

名前の由来

名前は、神々から火を盗んで人類に与えたギリシャ神話のティーターン、プロメテウスをたたえたものです。発見者の一人の妻グレース・メアリー・コライエルの発案とされ、この元素を生み出した原子力の力と危険の両方を思い起こさせる意図がありました。

主な用途

用途は小規模で特殊なものに限られます。

  • 原子力電池: プロメチウム147の穏やかなベータ線はベータボルタ電池で電気に変えられ、かつては一部の心臓ペースメーカーや宇宙・軍事用の機器の電源になっていました。
  • 夜光塗料: 一部の時計の文字盤や計器の目盛りでラジウムの代わりに使われ、ベータ線が蛍光体を光らせていました。
  • 厚さ計: 産業界では、ベータ線がどれだけ透過するかで紙、プラスチックフィルム、箔の厚さを測ります。

こうした用途の多くは、今ではほかの同位体や放射性物質を使わない技術に置き換えられています。

同位体

プロメチウムには安定同位体がありません。最も長寿命なのはプロメチウム145で、半減期は約17.7年です。主力の同位体はプロメチウム147で、半減期は約2.6年です。使用済み核燃料から回収されるか、ネオジムに中性子を照射してつくられます。プロメチウムとテクネチウム(43)は、安定な隣人にはさまれた不安定な元素の典型例として知られ、この奇妙な性質は原子核の殻構造によって説明されます。

身近なところで

プロメチウムに出会うことはまずありません。地殻中ではウランの自発核分裂によってごく微量できるだけなので、ある瞬間に存在する総量はごくわずかです。プロメチウムを含む古い夜光計器や測定器は、分解したり家庭ごみとして捨てたりせず、適切な放射性廃棄物のルートで処分すべきです。

豆知識

  • プロメチウムは、安定同位体を一つも持たない唯一のランタノイドです。
  • 発見は1945年でしたが、戦時中の機密保持のため1947年まで秘密にされました。
  • いくつかの特異な恒星のスペクトルにプロメチウムによるとされる吸収線が報告されており、すぐに崩壊するはずなのにと天文学者を悩ませています。

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データの出典 · 性質: PubChem Periodic Table(米国 NIH/NLM 公開データ)・原子量: CIAAW 2024 簡略標準原子量・名称: Wikidata(CC0)、韓国語名は大韓化学会の表記に準拠。2026-09-23 取得。