96Cm[247]

原子番号 96 · アクチノイド

キュリウム Cm

別名: Curium

キュリウムは、マリー・キュリーとピエール・キュリーにちなんで名づけられた人工の放射性元素です。放射能がきわめて強く、純粋な試料は目に見えて自ら発熱します。その晴れ舞台は宇宙探査で、火星の岩石を分析する装置のアルファ線源として活躍しました。

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主な性質

原子番号96
原子量[247] (安定同位体がないため、代表的な同位体の質量数を角かっこで表示)
分類アクチノイド
ランタノイド・アクチノイド(族番号なし)
周期7
ブロックf
状態(25 °C・1 atm)固体
融点1618 K (1344.8 °C)
沸点3400 K (3126.8 °C)
密度13.51 g/cm³
電気陰性度(ポーリング)1.3
原子半径(ファンデルワールス)245 pm
第一イオン化エネルギー6.02 eV
電子親和力
酸化数+3
発見1944

電子配置

簡略表記
[Rn]7s2 5f7 6d1
完全表記
1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d10 4s2 4p6 4d10 4f14 5s2 5p6 5d10 5f7 6s2 6p6 6d1 7s2
電子殻ごとの電子数
2 · 8 · 18 · 32 · 25 · 9 · 2

軌道図(ボックス図)

1s2↑↓
2s2↑↓
2p6↑↓↑↓↑↓
3s2↑↓
3p6↑↓↑↓↑↓
3d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
4s2↑↓
4p6↑↓↑↓↑↓
4d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
4f14↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
5s2↑↓
5p6↑↓↑↓↑↓
5d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
5f7
6s2↑↓
6p6↑↓↑↓↑↓
6d1
7s2↑↓

周期表での位置

発見の歴史

キュリウムは 1944年夏、グレン・シーボーグ、ラルフ・ジェームズ、アルバート・ギオルソによって初めてつくられました。彼らはバークレーの60インチ・サイクロトロンでプルトニウム239にアルファ粒子(ヘリウム原子核)を当て、シカゴ大学の冶金研究所で生成物を分析して、半減期約5か月の新しい同位体キュリウム242を突き止めました。実は95番元素のアメリシウムよりもわずかに早く発見されています。

アメリシウムと同じく戦時中は秘密にされ、1945年11月、正式発表の少し前に、シーボーグが子ども向けのラジオのクイズ番組で初めて公に口にしました。初期の試料は目に見えないほどわずかでした。1947年ごろには原子炉でアメリシウムに中性子を照射して目に見える量の水酸化キュリウムがつくられ、1951年には金属キュリウムが単離されました。

名前の由来

キュリウムの真上にあるランタノイドはガドリニウムで、フィンランドの化学者ヨハン・ガドリンにちなんで名づけられています。シーボーグのチームはこの対応にならい、96番元素を放射能研究の先駆者 マリー・キュリーとピエール・キュリー にちなんで名づけました。元素記号は Cm です。科学者にちなんで名づけられた最初期の元素の一つです。

主な用途

  • 惑星科学: キュリウム244は、アルファ粒子X線分光計(APXS)の放射線源として使われてきました。岩石に押し当てるとアルファ線とX線を浴びせ、はね返ってくるX線を読み取って、その岩石にどんな元素が含まれているかを調べます。いくつもの火星探査車がこうした装置を積んでいました。
  • より重い元素の合成: キュリウム248の標的は、116番元素リバモリウムなどの超重原子核の合成に使われました。
  • 熱源の候補: キュリウム242とキュリウム244は崩壊熱を多く出すため、放射性同位体電源への利用が研究されましたが、ふつうはプルトニウム238が選ばれています。
  • それ以外では、キュリウムは主に基礎研究に使われています。

同位体

キュリウムには安定同位体がありません。最も長寿命なのは キュリウム247 で、半減期は約1,560万年です。最初に見つかった同位体 キュリウム242 の半減期は約163日、宇宙用の装置に使われる キュリウム244 は約18年です。キュリウム242とキュリウム244は使用済み核燃料の中にもたまり、その発熱と中性子放出のために廃棄物の取り扱いで重要な存在になっています。

身近なところで

キュリウムは日常生活には登場せず、地球上のキュリウムのほぼすべては原子炉と核実験でつくられたものです。強いアルファ線放出体で、体内に取り込まれると骨や肝臓に集まって長くとどまるため、非常に危険な放射性物質に分類されています。実験室ではしばしば密閉された容器の中で遠隔操作によって扱われます。金属は銀白色ですが、空気中で容易に酸化します。

豆知識

  • キュリウムは、科学者の夫婦マリー・キュリーとピエール・キュリーをたたえています。
  • キュリウム244は、火星探査車の元素分析装置の放射線源でした。
  • キュリウムは、原子番号が大きいにもかかわらず、アメリシウムよりわずかに早く発見されました。

同じ分類 (アクチノイド)

データの出典 · 性質: PubChem Periodic Table(米国 NIH/NLM 公開データ)・原子量: CIAAW 2024 簡略標準原子量・名称: Wikidata(CC0)、韓国語名は大韓化学会の表記に準拠。2026-09-23 取得。