83Bi208.98

原子番号 83 · ポスト遷移金属

ビスマス Bi

別名: Bismuth

ビスマス(Bi、83番元素)は、かすかにピンクがかった、もろい銀色の金属です。重い元素の中で鉛の隣にありながら毒性が低いため、胃薬や化粧品にも使われています。虹色に輝く階段状の結晶でも有名です。

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主な性質

原子番号83
原子量208.98 (CIAAW 2024 簡略標準原子量)
分類ポスト遷移金属
15
周期6
ブロックp
状態(25 °C・1 atm)固体
融点544.55 K (271.4 °C)
沸点1837 K (1563.8 °C)
密度9.807 g/cm³
電気陰性度(ポーリング)2.02
原子半径(ファンデルワールス)207 pm
第一イオン化エネルギー7.289 eV
電子親和力0.946 eV
酸化数+5, +3
発見1753

電子配置

簡略表記
[Xe]6s2 4f14 5d10 6p3
完全表記
1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d10 4s2 4p6 4d10 4f14 5s2 5p6 5d10 6s2 6p3
電子殻ごとの電子数
2 · 8 · 18 · 32 · 18 · 5

軌道図(ボックス図)

1s2↑↓
2s2↑↓
2p6↑↓↑↓↑↓
3s2↑↓
3p6↑↓↑↓↑↓
3d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
4s2↑↓
4p6↑↓↑↓↑↓
4d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
4f14↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
5s2↑↓
5p6↑↓↑↓↑↓
5d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
6s2↑↓
6p3

周期表での位置

発見の歴史

ビスマスは中世後期からヨーロッパの鉱夫や金属職人に知られていましたが、長いあいだスズや鉛、アンチモンと混同されていました。15世紀のドイツでは、ビスマス合金が活字に使われたこともありました。

1753年、フランスの化学者クロード・フランソワ・ジョフロワがビスマスが別個の金属であることをはっきり示し、この年がふつう発見の年とされています。長いあいだビスマスは最も重い安定元素とみなされていました。しかし2003年、フランスの研究者たちがビスマス209のきわめて遅いアルファ崩壊を検出し、その称号は鉛に移りました。

名前の由来

名前の由来ははっきりしていません。ドイツ語の weiße Masse(白い塊)に由来するという説明がよく知られていますが、ほかの語源も提案されています。ラテン語化した形 bisemutum は16世紀ドイツの鉱山学者ゲオルギウス・アグリコラが記録し、この名前を広めるのに一役買いました。

主な用途

  • 医薬品: 次サリチル酸ビスマスは市販の下痢止めや消化不良の薬の有効成分で、ビスマス化合物は多くの胃潰瘍の原因となるピロリ菌の除菌の併用療法にも使われます。
  • 低融点合金: ウッド合金などのビスマス合金は低い温度で融け、スプリンクラーの栓や安全ヒューズに使われます。
  • 鉛の代替: 毒性が低いため、鉛フリーはんだ、釣りのおもり、散弾で鉛の代わりに使われます。
  • 化粧品と顔料: オキシ塩化ビスマスは化粧品に真珠のような光沢を与え、バナジン酸ビスマスはあざやかな黄色の顔料です。

同位体

天然のビスマスは実質的にすべてビスマス209です。その半減期は約2 × 10^19年で、宇宙の年齢の10億倍以上もあるため、実用上は安定とみなせます。人工のビスマス213(半減期約46分)はがんの標的アルファ線治療への利用が研究されており、原子炉でビスマス209に中性子を照射するのがポロニウム210のつくり方です。

身近なところで

融けたビスマスがゆっくり冷えると、結晶の縁が面よりも速く成長して、中が空洞の階段状の「骸晶」ができます。表面の薄い酸化膜が光の干渉によって虹色を生み出します。科学グッズの店で売られている結晶は、この方法で人工的に育てたものです。ビスマスは最も反磁性の強い元素で、小さなかけらを強い磁石の上に浮かせることができ、水と同じく固まるときに膨張します。ビスマスを含む胃薬を飲むと舌や便が一時的に黒くなることがありますが、無害でよくある現象です。

豆知識

  • ビスマスは、2003年に放射性であることが確認されるまで、最も重い安定元素と考えられていました。
  • ビスマスは、全元素の中で最も反磁性の強い元素です。
  • ビスマスの結晶の虹色は、薄い酸化膜での光の干渉によるものです。

同じ族 (15)

データの出典 · 性質: PubChem Periodic Table(米国 NIH/NLM 公開データ)・原子量: CIAAW 2024 簡略標準原子量・名称: Wikidata(CC0)、韓国語名は大韓化学会の表記に準拠。2026-09-23 取得。