69Tm168.93

原子番号 69 · ランタノイド

ツリウム Tm

別名: Thulium

ツリウム(Tm、69番元素)はやわらかい銀灰色のランタノイドです。放射性のプロメチウムを除けばランタノイドの中で最も少なく、携帯型X線源や手術用レーザーなど、特殊な用途に使われています。

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主な性質

原子番号69
原子量168.93 (CIAAW 2024 簡略標準原子量)
分類ランタノイド
ランタノイド・アクチノイド(族番号なし)
周期6
ブロックf
状態(25 °C・1 atm)固体
融点1818 K (1544.8 °C)
沸点2223 K (1949.8 °C)
密度9.32 g/cm³
電気陰性度(ポーリング)1.25
原子半径(ファンデルワールス)227 pm
第一イオン化エネルギー6.184 eV
電子親和力
酸化数+3
発見1879

電子配置

簡略表記
[Xe]6s2 4f13
完全表記
1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d10 4s2 4p6 4d10 4f13 5s2 5p6 6s2
電子殻ごとの電子数
2 · 8 · 18 · 31 · 8 · 2

軌道図(ボックス図)

1s2↑↓
2s2↑↓
2p6↑↓↑↓↑↓
3s2↑↓
3p6↑↓↑↓↑↓
3d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
4s2↑↓
4p6↑↓↑↓↑↓
4d10↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
4f13↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓↑↓
5s2↑↓
5p6↑↓↑↓↑↓
6s2↑↓

周期表での位置

発見の歴史

1879年、ウプサラのペール・テオドール・クレーベはエルビアに残った不純物を追いかけるうちに、2つの新しい酸化物を分離しました。褐色のものをホルミア、緑色のものをツリアと名づけました。

ツリウムを純粋にするのは難しいことで有名でした。1911年、ニューハンプシャー大学のチャールズ・ジェームズは、かなり純粋な試料を得るために臭素酸ツリウムの分別結晶をおよそ1万5,000回も行ったといわれています。この話は、かつての希土類化学がいかに骨の折れるものだったかを示す例としてよく語られます。本当に純粋な金属ツリウムが手軽に得られるようになったのは、1950年代にイオン交換法が普及してからです。

名前の由来

名前は、古代ギリシャ・ローマの地理学者たちが既知の世界の最北に置いた伝説の地、トゥーレ(Thule)に由来します。クレーベはこれをスカンジナビアの詩的な呼び名として使いました。

主な用途

  • 携帯型X線源: ツリウム169に中性子を照射してつくるツリウム170は比較的低エネルギーのX線を出し、電源のいらない携帯型の放射線透過検査装置に使われます。
  • ツリウムレーザー: ツリウム添加ファイバーレーザーは約2マイクロメートルの光を出し、結石治療や前立腺手術でホルミウムレーザーの代わりとしてますます使われるようになっています。
  • 蛍光体: 3価のツリウムは青い光を出し、一部の蛍光体や偽造防止インクに使われます。
  • 材料研究: 超伝導体などの先端材料の研究に使われます。

同位体

天然のツリウムは安定なツリウム169だけからなります。最も有用な放射性同位体は半減期約128日のツリウム170で、半減期約1.9年のツリウム171も知られています。

身近なところで

ツリウムは希少で高価なため日常生活で目にすることはありませんが、手術用レーザーや非破壊検査装置の中に入っているかもしれません。生物学的な役割は知られておらず、毒性は低いと考えられています。最も希少な安定ランタノイドと呼ばれるものの、地殻中の存在量は銀より多く、ヨウ素と同程度と推定されています。高価なのは希少さよりも、隣の元素から分離するコストが大きいためです。

豆知識

  • ツリウムは、世界の北の果てにある神話の地トゥーレにちなんで名づけられました。
  • ある初期の化学者は、ツリウムを精製するのに約1万5,000回の結晶化を要したといわれています。
  • ツリウム170の線源は、商用電源なしで動くX線装置を支えています。

同じ分類 (ランタノイド)

データの出典 · 性質: PubChem Periodic Table(米国 NIH/NLM 公開データ)・原子量: CIAAW 2024 簡略標準原子量・名称: Wikidata(CC0)、韓国語名は大韓化学会の表記に準拠。2026-09-23 取得。